口をつぐんでいましたがグレンラガンが超面白い。
ストーリーが荒い。
という人もいますが、あの物語のスピード感を維持するには仕方がないというか、
お約束的な演出や説明演出を飛ばすことでどこまでスピードを出せるのか。
という実験とも言えるので、まぁ仕方ない事かなと。
そんな方がいる一方で、
僕はこのハイスピードは大好き! という感想になりますが。
現在は第三部がスタートした所でやっと全体像がつかめてきました。
第1部は「冒険の始まりから英雄の喪失まで」
いわゆる男一匹番長的な「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」世界観。
ロボット達も基本はタイマン殴り合い、切りあいの切ったハッタの世界。
科学理論も理屈も無く、努力、根性、熱血、男気で分かりやすい敵をぶっ飛ばす大冒険。
第2部は「英雄の喪失から英雄の再誕まで」
英雄カミナの死によって主人公シモンが自立し、ラスボスを倒すまでの物語。
カミナの死亡、そしてアウトサイダー(部外者)であるニアの登場によって客観性を得て
カミナを主人公とした英雄物語(my story)から
シモンを集団のリーダーとした集団の物語(our story)へと変質します。
世界感的には「英雄の特攻⇒勝利」では無くなり、
集団対集団。皆の友情、努力、勝利的な形に移行しています。
ロージェノムとの決戦はタイマンですが、そこまでの間に戦艦の自滅すれすれの特攻など、集団の代表としての決戦に切り替わってきています。(セイントセイヤ的というか。。)
敵や兵器は分かりやすくパワーアップ。
銃器の打ち合い、航空戦、ミサイルと武器の近代化も進みます。
喪ったモノと引き換えに勝利を得る。という1部から進んだ物語の大団円です。
果たして第三部は?
という話なんですが(まだ第三部は17話をやっただけだし)
分かりやすい敵ではなく、理解不能な敵との対峙。レーザーや架空の兵器の登場。
というあたりは間違い無さそうです。
グレンラガンは物語が進むにつれて世界観のパラダイムシフトが起きていて、
例えば・・・
第2部のテッペリン攻めであわられる番長的な援軍は、
「特攻じゃー!」と敵に突っ込んで行き、その男気で奇跡を起こす。(起こそうとする)
という1部のカミナに近い存在のはずですが
第2部の世界観の中では行動に説得力が足らず、それは認められないどころか愚行扱いされます。
第2部では既に英雄カミナは失われていて「男一匹ど根性」ではなく
「友情と努力と団結」で奇跡を起こすという世界観へシフトしているからです。
※キャラクタがメインかサブかって事の方が大きいだろ。っていう突っ込みはもちろん分かります(笑)
※あくまで例えとしてね。
普通、作品の中で世界観がシフトする時は違和感を感じるものですが、
1部〜2部間ではカミナが生存している間でも
・ガンメンを奪ってやるぜ!⇒まじで!?⇒やった!!
みたいな空気から
・ダイガンザンを奪ってやるぜ!⇒危ないよ!フォローするよ
という空気へのシフト役をヨーコがやっていたので違和感なく世界がブレて行っています。
第3部は「あれから7年経った・・・」というモノローグだけで処理している為、違和感はバリバリです(笑)
シモンは成長して青年となったし、ロシウは現実主義的な側近としてキャラ立ちしました。
現実的/SF的な世界観の中で、キャラクタ達の主義主張の衝突や、最愛の者が敵として現われるといった
いままでに無かった「矛盾」や「葛藤」がテーマとして立ち上がってきます。
おそらくその中では「英雄」の後継者であるシモンが2部の頃の空気を引き継ぎながら、
ロシウが第3部の空気を作っていくのでしょう。
その流れで単純に予測すれば第4部はシモンの死、または後継。という展開がありえるかと。
ミギー、ダリーといった後継キャラクターはすでに登場しています。
第3部のスタートから彼らが登場/活躍している所を見ると、
3部は矛盾を負った世界でのシモンの活躍と、後継の成長。
というストーリになるんですかね。
そして4部でシモンとその後継のお話かな??
シモンが成長しきって、そして彼が折れる瞬間が来るのならば。
TVの前で大号泣してしまいそうだな。。。