嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんという本が電撃文庫から発売されていて、ゲームレビューとかゲーム業界動向などを書かれている
お気に入りのブログさんで紹介されていたので、買って読んだ。
内容の説明はとりあえず置いておくと、
ついに「西尾維新」後の作家が出始めたんだなぁ。というのが読んですぐの感想。
ライトノベルの枠で言うと、昔はスレイヤーズに影響を受けたものが雨後の筍のように(または二匹目のどじょうを狙って)たくさん書かれた時期があって、ブギーポップ後も同様に類似作品が結構出てきていた。
※ブギーポップはコピーする事自体が難しかったらしく、その透明感というか「せかい系」な空気だけ引き継いだものが大半だけれど
そして、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」は明確に明白に「西尾維新」の影響下で生まれた作品だ。
それが悪いとか、パクリだから本家に勝てないとか、本家と比べてどうのこうの。と言いたい訳では無く、ついに「西尾維新」リスペクトな作家が生まれてきた。ようするに第二世代が生まれてきたんだなぁ。という事に感慨を受けたりした。
つまり、他の作品(スレイヤーズ、ブギーポップ)と同じように「西尾維新作風」も登場当初は他の作品とは違う「独特の作風」が大反響を得て来たわけですが、第二世代が生まれる事でその作風が一般化してくるというか「普通」なものとして扱われるんだろうなぁ。という事に、面白さと、ちょっと悲しさを感じたりしてます。
西尾維新作風って、あんまり纏めて語られていない気がしますが
・登場人物達は精神病患者ではないかと思うほど病んでいる
・キャラクタ達の倫理観はいわゆる通常の道徳から大きく逸脱している事が大半
・主人公達のスタンスは斜に構えている、時には皮肉的ですらある
・会話のテンポが秀逸。というかコント仕立てのような会話で進む
・後半にきちんと「どんでんがえし」があるケースが多い、が
活躍すると思われた主人公が役立たず。等の心理的などんでん返しが最近多いかも。
とか、こんな感じでしょうか。。。
それらをふまえて
「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」を見てみると
・ヒロインは酷く病んでいて、子供二人を誘拐/監禁してる
・主人公は嘘つきで、ヒロインのその状況を解決したいと思うが
その行為自体を警察に告げるなどの一般的倫理感は持ち合わせていない。
という、みごとな逸脱者ぷり。
ストーリー展開も実に「それっぽく」できているので、西尾維新好きには楽しめる感じでした。
扱っているテーマが中学生高校生向けである電撃文庫では難しく、よく出版したなコレ。とも思いますが。(ここらへんの話は「電撃文庫」の高年齢向けに別枠の「文庫」を作るべきなのでは?という話にもなりますが・・・)